なぜ画面で見ていた色と印刷物の色が違うのか

なぜ画面で見ていた色と印刷物の色が違うのか

2023年10月30日

ワードなどでモニターを見ながら作ったデザイン。いざ、印刷をして見比べてみるとなんか違って見える。なぜ?
今回はそのような疑問についてお話いたします。

実は色の表現範囲が違うことが原因です。

左半分がRGBで右半分がCMYKの桜と菜の花の写真

よくある傾向として、トーンが落ちる、蛍光感がなくなるといったことになります。

考えられる原因は複数ありますが、一番の原因はモニターと印刷物で色の表現範囲が異なるためです。

モニターの方が印刷物よりも色の表現範囲が広いです。特に鮮やかな色は、モニターの方が印刷物よりも得意です。

そのため、デザインをRGBで作ってしまう(WordやPowerPointはRGBになります)と、特に顕著に色が変わったと感じられます。

余談ですが、色が違って見える原因は、モニターの個体差、出力機による色の違い、日々の気温や湿度、環境光、見ている場所、個人の見え方の違いなどたくさんあります。

セイコープロセスでは、その中でなるべく同じ色を出せるように日々努めています。

モニターと印刷物、それぞれの表現方法とは

カラーガイドを表示するモニター

モニターはRGB、印刷はCMYKで色を表現しています。

RGBはRed(赤)Green(緑)Blue(青)と呼ばれる光の三原色で構成されます。

色が混ざれば混ざるほど明度(明るさ)が増すため、加法混色とも呼ばれます。

RDBはそれぞれが完全に混ざると白になります。何もまぜなければ、黒です。

色の組み合わせがわかりにくくもあります。例えば、イエローはRed(赤)とGreen(緑)を、シアンはBlue(青)とGreen(緑)、マゼンダはRed(赤)とBlue(青)といった具合で色の扱いに慣れないと調整が難しくもあります。

それに対してCMYKは、Cyan(シアン)Magenta(マゼンタ)Yellow(イエロー)K(キートーン、印刷では黒)で構成されます。

絵の具と同じように混ざれば混ざるほど黒くなり明度が減るため、減法混色と呼ばれます。

CMYのみを混ぜて黒になると言いたいところですが、実際には黒ではなく茶色になります。黒を表現するために黒インクを使用します。

RGBとは逆で、混ざれば黒、何も混ぜなければ白になります。

色の組み合わせは、絵の具と同じなのでわかりやすいです。シアンとマゼンタをまぜれば青、マゼンタとイエローで緑、イエローとシアンで緑になります。

差をなくすにはどうしたらいいの?

正方形が並んだカラーガイド

現在ではRGBに対応したインクや蛍光色インキなどで発色がよくなる工夫をしていますが、それでもRGBの表現範囲には叶いません。それではどうしたらいいのでしょうか?

答えとしては全く面白くないのですが、印刷をしたり、実際に商品がある場合

「CMYKの範囲でデザインをする」になります。

なぜRGBを避けるのかという理由ですが、実は、CMYKで表現できないRGBの色はビビッドな色が多く、全体的に目が疲れるような色が多くなっていきます。(晴天時の真っ青な空、透き通るような肌の色など、RGBにかなわない色ももちろんありますが)

それに対して、CNYKの色の組み合わせは、表現範囲が狭いものの、優しく落ち着いた雰囲気になりますので、見ていて自然な感じ、違和感を感じさせることがありません。

また、商品パッケージやパンフレットで使用するロゴの配色をRGBで構成してしまうと、ホームページ上できれいに見えていても、実際には色が違うということを引き起こしてしまいます。CMYKであれば、モニターと印刷物の見え方の差だけにとどまります。

まとめ

タブレットで作業するデザイナーの写真

セイコープロセスでは、webと印刷の両方の知識がありますので、ホームページで見ても、印刷物で見ても変わらずに、良いイメージになる配色を選んでデザインをしています。


Webと印刷のトータルデザインならセイコープロセスにお任せください。